
Y様(30代女性)
資産運用、ライフプラン検討
資産運用を中心としたご相談です。
すでに旦那様が確定拠出年金をしていますが、あまり考えずに商品を決めて、今まで放置してしまったのでこのままでいいのか気になっていました。

ご依頼の経緯
ご相談者のYさんは2回目のご相談です。
前回はライフプラン全般の相談でしたが、今回は確定拠出年金とNISAを中心とした資産運用に関する相談がメインです。Yさんご家族は確定拠出年金の運用をしていますが、ポートフォリオの中身を運用開始当初から変えていないことが気になっていました。特にポートフォリオの中で定期預金の割合がかなり多いことが気になっているそうです。
ご相談の回答やFPからのメッセージ
確定拠出年金でもNISAでも投資信託をベースとした資産運用でしたので、投資信託の基本を説明させていただきました。
長期運用前提であればややリスクをあげても問題なし
結論としは、現在のポートフォリオから外国株式の投資信託などリスク資産割合を増やすことは問題ないことを説明しました。
- 確定拠出年金は原則長期運用になること
- 定期預金の場合、非課税枠をほとんど利用できないのはもったいないこと
- 目論見書を確認してどの資産、どこの国に投資しているかなどをチェックすること
- 現在のポートフォリオはスイッチング可能であること
確定拠出年金で長期投資するのであれば、定期預金はもったいないかもしれません。銀行預金では使ってしまうから、引き出せない場所で元本保証したいといったことでなければ、ある程度リターンを狙った運用を考えたほうが良いと思います。非課税枠のメリットを活かすこともできます。
過去のデータでは、20年ほどの長期投資であればどの期間をとってもプラスになった(もちろん投資商品による)というものもあります。未来の結果を保証するものではありませんが、長期投資になるほどリスクは小さくなりやすいといえます。
投資信託は信託報酬が低いものから選ぶ
投資信託商品を選ぶ基準の1つとして、信託報酬手数料率が低い商品を選ぶというのがわかりやすいかと思います。

信託報酬手数料は投資信託の保有期間中ずっとかかる手数料です。
手数料といっても、一般的に想像するような買付時にお金が引かれるといったものではありません。投資信託の基準価額(株価みたいなもの)は純資産総額と総口数できまります。
純資産総額は、信託報酬などの運用コストを差し引いたものになるので、信託報酬手数料率が高い商品は投資信託の基準価額が上がりにくい(下がりやすい)ということです。
2025年1月現在では、全世界株式(オルカンなど)は0.06%程度、外国株式(S&P500など)は0.1%、日本株式(日経平均など)は0.15%程度を目安にするのが良いと思います。
リターンが最大というわけではない
信託報酬手数料率が低い商品は、投資するに値する商品が多いのは事実ですが、最大のリターンが取れるわけではありません。お使いの証券会社の投資信託一覧などで、リターンを検索してもらうとわかりますが、いわゆるアクティブファンド(最近であれば半導体関連など)が上位に来ることがあります。
目論見書は必ずチェックしてください
目論見書を見るときには、以下のような点を確認するとよいと思います。
- どの資産(株、債券など)に投資しているのか?
- どこの国に投資しているのか?
- 為替の影響があるのか(為替ヘッジの有無)
まずは、どの資産に投資しているかを確認してください。『株』『債券』『不動産(REAT)』などが多いと思います。長期運用ということでしたら『株』100%の投資信託でもそれほど問題はありません。むしろ推奨します。
次にどこの国に投資しているかです。大きく分けると日本なのか海外なのかを確認、海外の場合はその割合も確認することを勧めます。例えばオルカンは60%以上を米国株式が占めています。分散投資でオルカンとS&P500を保有すると言ったことはあまり意味がないといえます。
最後に為替ヘッジの有無です。為替ヘッジありの場合は為替の影響を受けませんが、信託報酬手数料率が高くなりやすいと覚えておくとよいと思います。
お客様の感想

<Yさんの感想>
自分で調べても表面的なところしかわかりませんが、具体的に知りたいことを知ることができました。
確定拠出年金のスイッチングをしてみます。



特に確定拠出年金は、最初の設定から放置している人は多いかもしれません。頻繁に運用商品を変える必要はありませんが、定期的なチェックは実施してほしいです。