
U様(50代男性)
家計の見直しや資産運用などのご相談
家計の見直しや資産運用などお金に関する全般のご相談です。
お金についてすでに考えており、今後具体的にどのような対応をすればよいのかを相談したいとのことでした。
ご依頼の経緯
ご相談者のUさんは、先日開催したマネーセミナーに参加していただきました。
お子様は大学生活が残っていますが、世帯収入はかなり多めのご家庭です。老後2000万円問題なども気になり、色々調べたそうですが何が正解なのかわからず、今回ご相談に来てくれました。
ご相談の回答やFPからのメッセージ
Uさんの現状をお聞きしたところ、すでに資産運用もNISAで開始しており、セミナー参加後にキャッシュフロー表も簡単に作成したそうです。
妻は106万円を超えないようにしていましたが、今後はどうすべき?
奥様の働き方についての質問でした。扶養内(第3号被保険者)として働き続けたほうが良いかということについては、正解はありません。扶養を外れる場合、つまり第2号被保険者となる場合のメリットとデメリットは以下のような内容です。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
扶養を外れる場合 | ・将来の厚生年金が増える ・傷病手当などの医療保険が充実する | ・手取りが減る可能性がある ・手続きが必要 |
ざっくり言えば、将来のお金(厚生年金)が増える代わりに、現在の手取りが減る可能性があるというのが、扶養を外れるメリットとデメリットになります。年収と働く期間によって年金がどれだけ増えるのかは厚生労働省の資料などで確認できます。
デメリットとして手取りが減る可能性をお伝えしましたが、社会保険適用については国から助成金がでるので、お勤め先によっては手取りが減らないこともあります。まずはお勤め先に確認していただくのが良いと思います。
老後2000万円問題、2000万円という金額は気にしなくてよい
老後2000万円というのは、2019年に行われた金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」という会議の資料で記載されたものです。65歳以上無職(年金生活など)の夫婦に関して、毎月の支出が5万円の赤字である場合、30年間でおよそ2000万円が必要になるということから、2000万円という数字だけが独り歩きするようになりました。
ちなみに、この毎月5万円の赤字というのは、当時の家計調査(総務省統計局)の結果ですが、最新のデータではこれよりも不足額は小さくなっています。つまり、2000万円という数字にあまり意味はなく、ご家庭ごとの実態から数字を考えることが大切だということです。
キャッシュフロー表はブラッシュアップしてください
いただいた情報から将来にわたってのキャッシュフロー表を作成してご確認いただきました。今回作成した内容では、90歳を超えたくらいで貯蓄残高がマイナスになりそうという結果でした。ただし、現在の収支も含め、金額はやや不正確でしたのでブラッシュアップして再検討することが必要になりそうです。
これまでの経験上、収入のブレは比較的少なく、支出は実態よりも小さく提示される方が多い印象です。つまり年間収支が思ったより多いことになります。収入(手取り)は源泉徴収票や住民税決定通知書などから計算することが可能です。支出に関しては、ご家庭ごとに様々です。まずは支出を正確に把握することが大切です。(1円単位で把握する必要はありません)

老後の生活資金などを考えたときに、貯蓄残高が不足するのであれば、それまでに貯金を殖やさなくてはいけません。100歳くらいまでは生きることを前提で計画しておくのが良いと思います。
今回、資産運用についてもご相談いただきましたが、いつまでにいくらの金額を貯めなければいけないという目標ができると、毎月の積立金額や必要な利回りなどの投資戦略が立てやすくなります。
お客様の感想

<Uさんの感想>
知らないことが多かったのですが、理解が進みました。
ライフプランを作成した後に、改めて相談に伺いたいと思います。



資産運用や老後のライフスタイル、年金をいつから受給するかなどに正解はありません。ご自身やご家庭でよく検討することが大切です。