
Y様(30代女性)
家計の見直しや資産運用などのご相談
ライフプランについてのご相談です。
現在は貯金がほとんどできていないので、ライフプランを立てて将来に備えたいとのことでした。
ご依頼の経緯
ご相談者のYさんも働いており共働きのため、世帯年収は比較的多めです。
しかし、毎月の貯蓄がほとんどできておらず、行き当たりばったりになっていると感じていらっしゃったようです。お子様は小学生になったばかりなので、教育費用なども含めたライフプランを今から検討して、将来困らないようにしたいと今回相談に来てくれました。
ご相談の回答やFPからのメッセージ
事前に情報をヒアリングさせてもらったところ、その情報では大きな問題はなさそうに見えます。実際にはもっと苦しいのにと感じているようですが、ライフプランのご相談に来られる場合、このようになるケースが多いです。
ライフプラン作成でまずやることは2つ
30代であっても50代であっても、ライフプランで検討する内容は変わりません。まずはこの2つを検討するようにしてください。どちらから行っても構いません。
日本FP協会のHPで見ることができる小冊子を参考にしてもらうと、イメージが湧きやすいので一度チェックしてください。全ての年代でおすすめなのは、「くらしとお金のワークブック ~FPと考える生活設計~」です。
- 将来の暮らしをイメージすること
- 現在の収支を把握すること
将来のイベント作成
将来の暮らしをイメージするときには、まずは今後発生するイベントを書き出してみましょう。発生する確率が高いイベントと、夢や目標を分けて考えてもいいかもしれません。ルールはないので、考えすぎなくても構いません。定期的に見直してみましょう。比較的大きなお金が発生するイベントはひとまず挙げておくことをおすすめします。
- 結婚、出産
- 子どもの進学
- 家の購入、車の購入
- 家族旅行
- 退職、年金生活開始時期
老後の生活費などもある程度予想しておくのがよいと思います。
現在の収入と支出の把握
もう一つは、現在の収支を把握することです。特に支出の把握がかなり難しいです。ライフプラン相談に来られる方の多くは支出の見積もりが小さくなっています。「そんな馬鹿な」と思うかもしれませんが、年間で100万円以上の金額のズレが発生することもあります。そのため、細かい金額を合わせるよりも支出項目を漏れなく洗い出して大きな金額のズレがないようにすることを目指すくらいでよいと思います。
以下のような項目で支出を洗い出してみてください。分類に正解はありませんのでやりやすい方法で構いません。私の場合はこのほかに上で検討したイベントなどの一時的な支出項目を作っています。まずは年単位で考えます。細かく家計管理をする場合は月単位でチェックしていくのが良いと思います。
支出項目 | 内容(一例) |
---|---|
基本生活費 | 食費、水道光熱費、通信費 など |
住居関連費 | 住宅ローン、固定資産税、管理費 など |
車両費 | 駐車場、ガソリン、自動車税、車検、車両保険 など |
教育費 | 学費、習い事 など |
保険料 | 生命保険、医療保険、火災保険 など |
その他 | レジャー費、交通費、交際費 など |
2つを組み合わせて面で見えるようにする
一般的なキャッシュフロー表で考えると、上で考えた現在の収支は縦軸、将来のイベントは横軸のイメージになるので、これを組み合わせて面で考えるようにします。

例えば、「車の購入」などのイベントがある場合、年間収支がマイナスになることもあり得ます。継続的な赤字でなければ問題がないと考えて構いません。
最終的に将来にわたって貯蓄残高がマイナスにならないようにする計画をしなくてはいけません。考え方は人によって変わりますが、100歳くらいまで生きても問題がないような計画を考えておくのが良いと思います。
現時点で作成したキャッシュフロー表で貯蓄残高にマイナスが発生しても大丈夫です。それを発見するために作成したわけなので。マイナスが発生する場合に下のような対応策を考えたり、将来にわたって安全に自分らしく暮らす計画をするのがライフプランを考えるということです。
- 現在の無駄な支出を減らす
- 60歳定年予定だったが65歳まで働く
- 夫だけ働いているが、夫婦で働く
- 資産運用で運用益をだす
- 保険を見直す
- 住宅ローンを繰上げ返済する
- 年金の繰下げ受給を検討する
特に将来まで時間がある若い世代の場合は、選択肢が増えるので早い段階でライフプランを検討することが重要になります。ライフプランを検討する主役はご自身となりますが、当FP事務所にご相談いただければ、ライフプランを可視化する部分や、対応策を考えるサポートでお役に立てます。
お客様の感想

<Yさんの感想>
知らない部分がたくさんわかり、見直すきっかけになりました。
何をすればよいのかぼんやりしていたのが、やるべきことが明確になって嬉しいです。



支出部分を見直してもらうのが良いと思います。
キャッシュフロー表を精緻化してから対策を検討していきましょう。