
2024年からNISAが新しくなったと聞きました。
早く始めたほうがいいでしょうか?



準備はしておきましょう。
資産運用を始める前にまずすべきことを説明します。
2024年からNISA制度が新しくなりました。これまで資産運用をしていなかった人もNISA口座を利用した投資を始めているようです。これから資産運用を始めたいという人のために、資産運用を始める前にすべきことを説明します。
資産運用で減ってもいい金額を考えておきましょう
資産運用を始める前に、仮に収益がマイナスになった(運用が失敗した)ときに、どれだけお金が減ってもいいかは考えておきましょう。これは「リスク許容度」などと呼ばれています。
一般的には、年齢が若い、独身、経済に関心がある、年収が多い、資産が多いなどの要素はリスク許容度が高く(多少損をしても大丈夫)なります。とはいえ、絶対的な正解はありません。若くて年収が多くても、性格的に少しでもマイナスになるのは許せないという場合はリスク許容度は極めて低いといえます。金融機関などの多くのサイトでリスク許容度を診断するチェックが公開されているので、気になる方は試してみてください。
リスク許容度診断と並行して証券口座とNISA口座を準備しておく
証券口座を持っていない方は証券口座を準備しておきましょう。証券口座は複数保有できます。個人的におすすめなのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券あたりの大手ネット証券です。理由は単純で、手数料の安さと取扱商品の多さです。(私の場合、実際の運用はSBI証券を使っていますが、楽天証券は日経新聞を読むために、マネックス証券と松井証券は分析ツールを利用しています)
一方でNISA口座は1人1口座しか作ることができません。基本的には上記のネット証券でNISA口座も作るのほうが良いと思います。1年に1度だけNISA口座も他社へ移管することはできますが、手間がかかるうえに運用中商品をそのまま移管できなかったりするのでおすすめしません。
NISAでなにに投資すべきか
投資をこれから始める方は、基本的にNISA口座を利用するほうがメリットが大きいのでNISAで運用しましょう。NISAの最大のメリットは運用益が非課税になる点です。例えば、100万円で株を買い、110万円で売却した結果10万円の運用益が出た場合、通常2万円(厳密に言うと2024年現在は20.315%)の税金がかかりますが、NISA口座であればこれが非課税になります。
NISA制度自体は金融庁や多くの金融機関でわかりやすく解説してくれていますのでそちらを見て勉強してみてください。
お伝えしている通り、投資に絶対の正解はありませんが、何を買えばいいかわからないという人は以下のようなイメージを持ってもらうとよいかもしれません。
リスク許容度 | NISAの種類 | 投資商品 | 具体的な商品 |
---|---|---|---|
絶対にマイナスにはなりたくない | ー | 預貯金 債券 | 定期預金・年金定期 個人向け国債 |
低リターンでいいけど、リスクも低いほうがいい | つみたて投資枠 | 投資信託 | オールカントリー S&P500 |
ハイリスク・ハイリターンでいい | 成長投資枠 | 個別株 | バリュー株 |
リスクを取らないケース
全くリスクを取りたくない人は、NISAを利用せずに預貯金や個人向け国債を利用するのが良いと思います。これらは原則元本保証商品ですが、NISA口座は利用できません。2024年5月の個人向け国債は以下の表面利率(税引前)となっています。
変動10年 | 固定5年 | 固定3年 |
---|---|---|
0.57% | 0.45% | 0.29% |
低リスク・低リターンのケース
これから資産運用をしたいという人はこのパターンの人が多い思います。最初はつみたて投資枠で投資信託を積立購入するのが良いでしょう。商品の選び方ですが、原則として信託報酬手数料が低い商品を選びます。非常に簡単なロジックですが、信託報酬手数料が低い商品を選ぶほうが基準価額が上がりやすいからです。
- 信託報酬手数料が低い
- 経費が低いということなので、純資産総額が減りにくい
- 基準価額が上がりやすい(下がりにくい)
基準価額(株価)=純資産額/口数ということを覚えてください。純資産額を減らす要因となるのが、信託報酬などの経費や分配金です。そのため、信託報酬手数料率が高い手数料や毎月分配するような投資信託は基準価額が下がりやすいので損をしやすくなります。(とはいえ、毎月分配の投資信託はつみたて投資枠の対象投資信託には選ばれません)
この説明は、投資信託協会のサイトがわかりやすいです。
信託報酬が低いという基準で選ぶと、広く分散投資している商品が多くなります。オルカンやS&P500などの海外株式のインデックスに連動する商品や、日経平均やTOPIX、JPX400などの日本株式のインデックスに連動する商品などです。目論見書などを確認して、どこに投資している商品なのかは必ずチェックしておきましょう。
ハイリスク・ハイリターンのケース
ハイリスク・ハイリターンでNISAを利用するなら、成長投資枠での個別株を利用するのが良いと思います。一般的に個別株は投資信託よりもハイリスク・ハイリターンな商品とされています。ただし、やみくもに投資したり、応援したい企業へ投資するという考えはおすすめしません。あくまでも、業績を分析して、今後の株価が上がる銘柄へ投資すべきです。
個別株以外にもハイリスクな運用はあります。FX(為替)や暗号資産、不動産などもハイリスク・ハイリターンな商品といえます。これらの資産運用もお試し程度なら良いと思いますが、間違ってもフルベットするようなことはしないでください。
また、個別株(成長投資枠)を利用する場合でも、投資信託も併用することをおすすめします。NISAの非課税枠は1800万円ありますが、成長投資枠は最大でも1200万円までしか利用できません。特に資産運用を始めたばかりの頃は、リスク分散の意味でも1つの銘柄、株式だけといった偏った投資は控えておきましょう。
最初は少額で慣れていくほうがいい
資産運用を始めたばかりの頃は、あまりイケイケな投資はやめておきましょうと説明しています。
慣れてないうちに急な下落相場に遭遇すると、どうしたらいいのかわからずに結局塩漬けすることも多くなります。長く資産運用をするつもりであれば、いつか絶好の機会に遭遇します。その時までは少額の運用や積立投資などで投資に慣れておくことをおすすめしています。


私は投資が好きなので投資初心者~中級者向けの方に情報発信をしています。資産運用をしたいけどどうしたらいいかわからないという方は、当FPオフィスにお気軽にご相談ください。

